世界自然遺産・小笠原諸島のインフラを支えて62年
飛島ホールディングスグループの一角を占める老舗企業
杉田建設株式会社代表取締役社長 岡部一郎

固有植物の類まれな生態系が評価され、2011年に世界自然資産に登録された小笠原諸島。一方、東京都に属するこの島々の保有で、日本国土の排他的経済水域の約3割を確保できているという側面もある。このように、小笠原諸島は地政学的にも重要な役割を果たしているのだ。

その小笠原諸島が1968年に米国より返還されて以来、当地で様々な建設事業を手掛け、島民からの絶大な支持を得てきたのが、島出身の建設請負業者・杉田次郎氏が63年に千葉市で設立した杉田建設興業、現在の杉田建設株式会社だ。
同社は、2017年に飛島グループの傘下に入り、飛島建設から現代表の岡部一郎社長を迎え入れた。
「社員を大切にする経営方針とファミリー的な社風が当社の魅力。離島振興特措法関連の公共工事の受注が主力で、千葉市に本社を置く当社ですが、今後も島民との良好な関係を保ちながら、発展と環境保護の絶妙なバランスを維持するとともに、後進の育成にも注力していきたい」と、岡部社長は就任8年目に同社の目指すべき方向性を話している。
就任当初は、島の道路や都営住宅の建設、学校の改築工事等公共工事の受注で15億円程だった売上高も近年では島の更なるインフラ工事や防災対策工事、老朽化した既設建物の建て替え需要等で受注額最高55億円に。
昨年には千葉市の道路工事業者ロード・システム㈱を傘下に入れて、尚一層業量を拡大。24年10月の飛島ホールディングス設立に伴う組織再編では、飛島建設を始めとするグループ13社(孫会社含む)の一角として島嶼振興における防災・減災、長寿命化・環境保全に貢献し、地域建設事業者として、地域創成の重要な役割を担っている。今後は、様々な特色あるグループ会社と共に同社の持つ力を発揮し、他のグループ会社との連携によるシナジー効果も期待される。

千葉市の建設業者の中で
受注高第1位を継続
竹芝桟橋から小笠原村父島まで船便で片道24時間。建築資材運搬の欠航による遅延や都市部とは異なる就労条件など、離島ならではの条件下でも、現地にある生コンの自社プラントや自社所有の豊富な重機を駆使して、売上高の6~7割を小笠原諸島関連で計上する同社。残る3~4割は千葉市近郊での受注だが、飛島グループの総合力と、昨年傘下となった千葉市の道路工事業者・ロード・システム㈱とタッグを組み、内地・千葉市でも安定的な業量確保を目指す。現にここ数年の統計では、千葉市に本社を置く建設事業者中、受注高第1位を継続しているのだ。


「安定した企業であり続けるためには、プロパー社員の育成が不可欠。風光明媚な小笠原で暮らしたいという動機でも結構。我こそはと思う人は是非とも当社に参加して、共に力を合わせて卓越した技術力で地域社会に貢献してほしい」と、御年66歳の岡部社長は後進候補の出現に期待を寄せている。
【会社データ】
杉田建設株式会社
本社=千葉県千葉市中央区富士見1-15-8 RC千葉ビル2F
TEL=043-215-7787
・小笠原支店(父島)・母島営業所
設立=1963年3月
資本金=4000万円
従業員数=80名(子会社含む)
売上高=32億円(2024年3月期)
事業内容=総合建設業
https://sugita-k.com
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