順天堂大学と共同で「乳酸菌生産物質」に関する特許を取得
「アクアポリン」の発現促進で肌の保湿維持効果を証明
株式会社光英科学研究所村田公英会長(左)、小野寺洋子社長(右)

2024年11月21日、腸内フローラの働きを助ける「乳酸菌生産物質」の老舗メーカー・株式会社光英科学研究所は、順天堂大学との共同で「アクアポリン発現促進剤及び角化マーカー発現促進剤」の特許(特許・第7591756号)を取得した。
これは、同社が研究・開発・製造する「乳酸菌生産物質」を用いた細胞試験で、細胞が水分子を選択的に透過させるタンパク質「アクアポリン」や、「ケラチン」などの角化マーカーの発現を促進する作用がこの物質にあることを発見したもので、今後、皮膚保湿・強化等を目的とする素材として、様々な食品や化粧品などへの活用が期待されている。
同社では既に、10年以上前から城西大学薬学部と行っていた研究で、マウスの皮膚に紫外線照射などの刺激を与えた後、肌の健康のカギとなる成分「トリリノレイン」を含む「乳酸菌生産物質」を経口投与すると、皮膚の状態が良くなる効果があることを発見している。
今回の順天堂大学との共同特許取得は、肌を構成する細胞に「乳酸菌生産物質」がどう作用しているのかを研究したもので、約半年の超微細な細胞レベルの試験で、この物質の機能に「アクアポリン」発現促進作用があることを証明したものだ。
この共同特許取得を受けて、創業者の村田公英会長の後継で21年2月より代表を務める小野寺洋子社長は、「『乳酸菌生産物質』に様々な可能性が出てきている。今後も産学連携で更なる共同研究を行い、多方面での用途開発を進めて行きたい」と、期待を寄せている。


「乳酸菌生産物質」の認知度向上で
大口受注も相次ぎ設備増強を計画中
1964年4月創業の同社による「乳酸菌生産物質」の研究・開発・製造のキーポイントは、そのスターターである16種35株の乳酸菌群「チームKOEI」の確定にある。「チームKOEI」が工場設備内の共棲培養により発酵する過程で産み出されるのが「乳酸菌生産物質」なのだ。
2010年から11年に実施のヒューマンメタボロームテクノロジー社による「乳酸菌生産物質」のメタボローム解析では、34のペプチドを含む「イソフラボン」「レスベラトロール」など352種類の健康に有用な代謝物の特定に成功している。
「今回の特許取得を始め、これまで積み重ねてきた様々なエビデンスの獲得で、『乳酸菌生産物質』の認知度も向上してきた。ここにきて、サプリメントや一般食品メーカーからの大口受注も相次いでおり、今年8月には発酵タンクの増設を計画している。
今回の特許内容を特定保健食品や機能性表示食品の根拠として活用し、さらなる『乳酸菌生産物質』ユーザーの拡大に繋げたい」と、村田会長は将来のより幅広いユーザー層に呼び掛けている。

【会社データ】
株式会社光英科学研究所
本社=埼玉県和光市新倉5-1-25
TEL=048-467-3345
創業=1969年4月
設立=1994年2月
資本金=1000万円
事業内容=乳酸菌生産物質の製造・販売、研究・開発等
https://www.koei-science.com
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