「よく働き、よく遊べ」をモットーに健康経営を実践 真の「エンジニアファースト」を貫くIT人材派遣企業
株式会社オーシーエム押田 和浩 社長
慢性的な人手不足が顕在化している近年、各業界では現有社員から友人や知人などを紹介してもらい、自社に合う人材を採用する「リファラル採用」という手法が注目を集めている。もちろん従来からある縁故採用とは違い、採用に至った暁には紹介者へのインセンティブなどのコストは伴うが、少ないコストで理想的な人材に出会える方法として、今後も広く普及していくことだろう。
特に人材不足が顕著なIT業界にあって、この「リファラル採用」の制度も導入して着々と自社の社風に合う優秀な人材を獲得しているのが、1998年2月設立のIT人材派遣企業、株式会社オーシーエムだ。
中には自分の無二の親友や実の妹を紹介して、自社に招き入れた実績を持つ社員もいるという同社。会社が求める保有スキルや人物像を深く理解し、なおかつ自らが所属する組織を心底愛していなければ、そう易々と実現できることではない。
設立26年を経た現在では、パートナー企業も含めて80名の陣容を擁する同社だが、98年の設立から現代表の押田和浩社長が入社する2008年までの10年間は、4名の社員エンジニアからなる、取引先企業1社のみの零細企業だった。
79年埼玉県生まれの押田社長は東京国際大学を卒業後、NTT-MEや伊藤忠グループのCTCテクノロジーでITエンジニアの腕を磨いた後の28歳の時、当時父親の経営する同社に一エンジニアとして参画する。
引き続き腕利きエンジニアとして活躍する傍ら、このままでは先が無いと自社HPの作成や給与体系の整備など、社内体制作りにもコツコツと取り組む。そして13年後の21年4月41歳の時、会社運営に専念するためにエンジニアとしての道を勇退し、同社代表に就任。以来、CTC時代の経験を活かした「エンジニアファースト」の姿勢を中心に置く怒涛の社内体制の整備を展開していく。
「面接が楽しかったから」が入社動機のエンジニアも
「リファラル採用」の他、一般公募による中途採用も積極的に推し進める同社は、「採用する側もされる側も、お互いが選び合う出会いの場」としての面接時の印象を重視する。
「エンジニアとしての経験値はもちろんですが、ヒューマンスキルやマインドの部分で当社の社風に合うかどうかも重要です。面接では必ず、緊張を解きほぐす『アイスブレーク』の時間を設けています。ちょっとした冗談に、笑ってくれるかどうかも大きなポイントなのです。実際に、『面接が楽しかったから』入社を決意したというエンジニアもいます」
と、人懐こくてフランクな人柄が魅力的な押田社長は、「お互いを選び合う」面接時の極意を話している。
そんな同社の福利厚生もユニークだ。社員の帰属意識を高める施策としてまず目を引くのは、楽しいネーミングの特別休暇の数々。クリスマスを独りで過ごす社員のための「クリぼっち休暇」や清潔感を保つための「ビューティー休暇」、家族持ちの社員には「家族大事です休暇」など、いずれも社員の提案から生まれたユーモラスな特別休暇が目白押しだ。
その他、特別休暇を多く取得した人や残業が少なかった人を金一封で表彰する「OCMアワード」や、出向手当・インフレ手当・在宅手当など一般的な手当てはもちろん、薄毛の悩みを告白した人に支給する「薄毛手当」の制定など、破天荒で思わず笑顔になる制度の数々。それらの受給者の様子は「OCM事務局」により月2回発行される社内報「OCM’sISM」で報告され、社内の一体感を一層高める効果を上げている。
『よく働き、よく遊べ』というワーク・ライフ・バランスの実現を目指す当社は、社員一人ひとりが成長意欲を持って行動することが会社を成長させ、社会貢献に繋がると考えます。『よく働く』ための前提として『評価基準の明文化』にも心を砕いていおり、人が人を評価する一般的な評価制度ではなく、定量的な観点で各社員の貢献を数値化し、客観的に評価する手法を大切にしています。その一環として23年4月から自社の受注プロジェクト全ての契約単金と還元率を明示した『賃金テーブル』を全社員に公開。これにより、個々の社員が目指す、目標設定の明確化という大きな成果を上げています」
と、各々のパーソナリティーを重視する「ペルソナ設計」の思想を採り入れた評価制度設計の考え方を披露する押田社長。その視線は常に、真の「エンジニアファースト」の実現に注がれている。
健康優良企業「銀の認定」の他
様々な企業資格・認定を取得
顧客先にアンケート調査を実施し、個々の派遣社員への評価を聞き取っている同社。概ね高い評価が多いが、その結果を定期的に行う派遣社員とのフォローアップ面談の際にフィードバックし、さらなる改善を図る。中には、派遣エンジニアへの高評価が新たな顧客の紹介を呼び、エンドユーザー直受注という成果に結び付いている事例も多いという。
一方で顧客からの高評価の要因として、同社が「働き方改革」を精力的に展開し、数々の企業資格・認定を取得しているという側面もある。
その事例として22年には、埼玉県の「健康経営認定」、「多様な働き方実践企業・プラチナ認定」や「港区ワーク・ライフ・バランス推進企業認定」を取得。24年5月には健保連主催の健康企業宣言で健康優良企業「銀の認定」を取得するなど、「本気のホワイト企業」を目指す取り組みは公的にも高く評価されている。
「OCM事務局」主導で開かれる交流会や勉強会には顧客企業も参加することがある。そこで懇意になった派遣先企業からも、新たな顧客を紹介されることが相次ぎ、エンドユーザー直受注比率が高まっているという同社。ここ数年売上高も順調に伸びており、25年3月期は6億5000万円に届く勢いだという。
「エンドユーザー直受注の比率が高まることで、エンジニアへの還元率の向上にも繋がります。資格取得支援や外部研修受講サポートなどエンジニアの成長を後押しし、今後も魅力ある会社づくりに邁進したい」 と、押田社長は意欲を語る。
【会社データ】
株式会社オーシーエム
本社=埼玉県さいたま市浦和区高砂1-2-1 エイペックスタワー浦和2001
℡048-816-9235
東京オフィス=東京都港区新橋5-13-13 川勝ビル3F
℡03-6453-0458
設立=1998年2月
資本金=3000万円
従業員数=80名
事業内容=IT人材派遣・有料職業紹介事業、システム受託開発事業等
https://www.ocm-net.co.jp
※一般労働者派遣事業[派11-301043]・有料職業紹介事業[11-ユ-301019]
編集タイアップ企画のパイオニアとして、頑張る日本の中小企業を応援しています。マスメディアでは報道されない各社の素顔と魅力をお届けします。
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