株式会社マックスデザイン

2024年07月29日 週刊エコノミスト 「会社の流儀」掲載

都市と建物の未来を担い続けて80年
竹中工務店グループの総合設備エンジニアリング会社

㈱TAKイーヴァック取締役社長 三戸 英明

電気や空調、給排水といったライフラインを守り、建物に〝命〟を吹き込む設備工事。昨年12月に創立80周年を迎えた株式会社TAKイーヴァックは、竹中工務店グループの設備工事会社として人と地球に優しい環境づくりをサポートし、暮らしや社会生活に安心を提供している。

 1943年に私設電話交換機設備の新増設を主業務とする日本電話設備㈱として創業し、一般電気設備工事業を経て現在の総合設備エンジニアリング会社へと進化を遂げてきた同社。グループ会社が共有する竹中工務店の経営理念「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」を具現化し、誰もが知る著名な建物をはじめ、都心の再開発プロジェクトやオフィス、教育・医療施設やタワーマンションなどで数多の実績とノウハウを積み上げてきた。

施工物件(左から)「クリスタルタワー」「大手センタービル」「竹中工務店東京本店」「石川県穴水市町MS発電所」

近年はカーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなど高機能化と共に環境対応の要望にもいち早く取り組み、その姿勢と技術力が高い評価を受けて業界の名だたる賞を次々と受賞。3Dカメラやドローンで建物を撮影し、BIM(ビルディング・ インフォメーション・モデリング)による施工計画・管理を行うなどICT(情報通信技術)を駆使した「デジタルファブリケーション」を独自の強みとして積極的に展開している同社は、デジタル化による現場の施工品質の確保と生産性向上、さらには省力化を実現することで働き方改革にも貢献している。

 「80年間常に品質と安全、満足を追求する〝お客様ファースト〟を貫き、ゼネコンを中心とするお客様の期待に応える技術力とコスト力、アフターサポート力を高いレベルで兼ね備えています。建築全体に環境問題や生産性向上への対応が求められている昨今でも、ICT化の推進で優位性を発揮しながら、設備工事を通じて再生可能エネルギーの導入やライフサイクルCO²の削減などでサステナブル社会に貢献できる。快適な環境で多くの人が明かりを灯し、安心して生活を送る建物を自分たちの手で作れる事こそが私たちの本当のやりがいであり、喜びです」

 と話す福島県出身の三戸(さんど)英明社長は宮城県の大学を卒業し、建築を「環境」ととらえる設備工事分野で直接社会に貢献できることに希望を抱いて竹中工務店に入社。工事畑の第一線で様々な現場に携わってきた実績から、調達部グループ長や横浜支店マネージャーを歴任してきた。

本社社屋

そして、昨年3月に20代目の取締役社長に就任以降、全社の拠り所となっている社是「大量よりも常に最良 速く 良く 確に」に基づく経営を継承。それに加えて「健全な経営と成長」「適正な利益の確保」「法令の遵守」「組織の活性化と人材の育成」という4本柱で独自の改革を実行している。

ポジティブスパイラルを作り
さらに筋肉質な組織へと変革

本社エントランス

「健全な経営の継続で従業員と会社が成長し、お客様に選ばれ、みんなが元気になるポジティブスパイラルを作り上げていきます。最後の最後まで利益の向上や欠損の脱却を諦めない体質作りとプロセス管理を進め、業務量の増加に反して労働時間が限られる中でも性別や年齢、役職に関わらず誰もが活躍できる場所や手法を作ることが私の使命であり、それが新しい強みになると思います」

 と話す三戸社長は、外部の環境変化に左右されずに仕事の品質と利益を維持できる強靭で筋肉質な会社を目指すため、今年に入って「フォーマット・マニュアル標準化」「業務省力化・依頼・支援検討」「コミュニケーション・社会貢献推進」の3つの委員会を創設し、自ら手を挙げた社員たちに辞令も交付して責任と権限を与え、組織的に活動。急な利益変動などの発生をアラートでスマホに通知するシステムも導入し、「部門別会計」と「プロジェクト業務・原価管理」を可視化する組織運営システムも始動させている。

従業員にとって快適なオフィス環境

ベクトルの方向性を狭めて
「100年企業」をつかむ

2024年4月入社式

「社員へのアンケートの結果、従来の業務の進め方では『やることが増えて仕事がしにくくなった』という声もあり、ISOなどの基準を満たしながらマニュアルやフォーマットを再整理する必要があると実感しました。会計の可視化システムもチューニングなど現場が使いやすいように見直しています」(三戸社長)

 改革の4本柱の中でも外部環境の変化に柔軟に対応するために力を入れているのが「組織の活性化と人材の育成」だ。「コミュニケーション力を含めてまだまだ発展の余地がある」と語る三戸社長は、社員一人ひとりのベクトルの方向性をできるだけ狭めるためにコミュニケーションを取りやすい環境づくりと対話を重視。「感情の共有によってお互いの信頼をさらに強められる」と、管理職との1on1ミーティングを皮切りに部門長全員と2分間仕事以外の対話を行う月曜ミーティングや親睦会・グループ会の開催支援など、多くの時間をコミュニケーションの場づくりに費やしている。

「Take Vision 100」を掲げる三戸社長

また、建設業の面白さや社会貢献の価値をさらに深く伝えながら新たな人材の採用に力を入れている三戸社長。求めているのは素直で吸収が速く、前向きな性格が現場で愛される「可愛げのある人材」だという。
「建設業は、学校で学んだことがない事を現場のコミュニケーションを通して覚えていく事が多い業界。素直さとコミュニケーション力、自分のアイデンティティをしっかり持って成長して欲しいですね」
と語る三戸社長は、昨年行われた80周年の総会で「現状維持は退化」を共有する社員たちと新たな挑戦を誓い合い、100年企業へのスローガンを掲げて、こう語った。

 変わる。そして自分達でつかむ100年「Take Vision 100」。

「一人ひとりが変わり、会社も変わり、社員やお客様との良好な関係の構築、事業の継続性向上や承継、再構築など経営のバランス強化、常識に捉われない革新的な業務のあり方への挑戦、サステナビリティを意識して前進することで魅力ある『100年企業』になりましょう」

株式会社TAKイーヴァック
本社=東京都江東区新砂1―7―9   
☎03―5617―9121
創業=1943年12月
資本金=1億円
従業員数=124名
売上高=107億5600万円(2023年12月期)
事業内容=電気設備工事、給排水衛生設備工事、空調設備工事及び工事用仮設設備工事の施工・アフターサービス
https://www.tak-e.co.jp

㈱TAKイーヴァック/取締役社長 三戸 英明 『注目企業WEB』は株式会社マックスデザインが各分野における優良企業を独自に取材し、トップインタビュー形式でご紹介しています。

編集タイアップ企画のパイオニアとして、頑張る日本の中小企業を応援しています。マスメディアでは報道されない各社の素顔と魅力をお届けします。

掲載をご希望の場合はこちらまでinfo@max-design-corp.com

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